噴火 2013 12 28
今週は、安倍首相の靖国神社参拝が、
大きなニュースとなりました。
私は、いつか噴火するだろうと思っていました。
安倍首相は、就任して、
すぐにも靖国神社に参拝したかったのですが、
それを周囲の人たちに止められて、
1年間、自重してきたわけです。
ところが、1年間、自重してきても、
何も得られるものはなく、
それどころか、中国による突然の防空識別圏設定で、
安倍首相は、頭にきてしまったのです。
それでも、アメリカが、即座に、
中国の防空識別圏設定に対して抗議したので、
安倍首相も、溜飲を下げたのですが、
途中から、アメリカが中国に怯えて逃げてしまい、
安倍首相の「噴火」となったのです。
アメリカも、最初は、
中国の防空識別圏へB52爆撃機を飛ばすなど、
勢いがよかったのですが、
やがて、中国が怖くなって、
自国の民間機は、中国政府の指示に従うように認めたわけです。
これは、安倍首相からみれば、
「アメリカは怖くなって、逃げた」と見えるわけで、
「自重」から「噴火」につながる原因にもなったでしょう。
何度も書きますが、
アメリカと中国が、チキンレースをすれば、
当然、アメリカは、降りるのです。
これは、国際的な定理だと思っていれば、
そういう怒りも出てこないと思います。
私は、昨年の暮れから言っているのですが、
アメリカの「引きこもり」は明白です。
日米同盟の先 2012 12 28
最近は(2012年当時)、
「日米同盟の強化」という主張が増えました。
確かに、当面は、そういう方針で問題ないでしょう。
しかし、国防政策というものは、
10年先、20年先を考えて、策定していくものです。
はたして、いつまでも、そういう「思考停止」でよいのか。
アメリカが全盛期の時は、
つまり「かつてのアメリカ」は、
「北朝鮮の民主化」、
それに続く「中国の民主化」を真剣に考えていました。
しかし、「今のアメリカ」は、尖閣諸島をめぐって、
日本と中国の紛争に巻き込まれるのではないかと不安に思っているでしょう。
アメリカが、このような不安な気持ちになるのは仕方ないことです。
近年、アメリカは、強国と戦ったことがないからです。
ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争。
一方、日本は、アメリカとは逆に、強国と戦ってきました。
日清戦争で、中国と戦い、
日露戦争で、ロシアと戦い、
太平洋戦争で、アメリカと戦いました。
確かに、アメリカの軍事力は、世界最強です。
しかし、気持ちの上では、すでに「アメリカの衰退」は始まっているのです。
もう一度書きますが、「今のアメリカ」は、
尖閣諸島をめぐって、
日本と中国の紛争に巻き込まれるのではないかと不安に思っているでしょう。
軍事力の衰退は、兵器からではなく、精神力から始まる。
アメリカの衰退が始まる前に、
「日米同盟の先」を考えておく必要があるのです。